美食の案内人:メートル ドテル Maître d'Hôtel

直訳しますと「給仕長」。
日本語にするとピンとこない響きですが、本国フランスでは、列記とした職業として認知されています。
その語源をもつ、アンフィトリオンという仕事は、館(シャトー)の中で行われる催事全てにおいて責任をもつ人のこと。装飾や料理、サーヴィスのアレンジやオーガニゼ、飴細工まで作れたといわれています。
現代でのメートル ドテルは、レストランのマネージャーやサーヴィスの部門長、または総責任者の意味。レストランのサーヴィスの仕事といっても様々で、アプランティやコミドレストランからレセプション、ソムリエ、プロンジェ、花や装飾、掃除にまで至ります。

私の思うメートル ドテルとは、単にお料理の算段をつけるだけでなく、その館(レストラン)の最大限の楽しみ方を熟知している案内人。レストランにおける全てにおいて深い理解を求められる職業だと思います。
スタッフの体調管理からある程度のプライベートまで把握することも重要です。

お客様、一緒に働くスタッフ、その信頼は比例してなければバランスが悪いです。
その完成度の高い人ほど素晴らしいメートル ドテルと言えます。

そんなメートル ドテルが増えてくれることを願います。

とりわけプルミエ メートル ドテル(第一給仕長)と呼ばれる人で私が仕事をご一緒した中では、パリの【タイユヴァン】ジャンマリー アンシェさん(30年以上も1つのレストランで仕事する、継続は力なりということを教わりました。)や【グランヴェフール】クリスチャン ダビッドさん(14年間で4人しかスタッフが辞めていない類まれな統率力。)は群を抜いて素晴らしかったです。私は彼らに出会い、この職には料理やワインの知識、技術だけでなく、卓越した人格、責任感が求められるのだと痛感しました。

最高の黒子こそ真のメートル ドテルだと思います。
料理やワイン、フランスの歴史や芸術、音楽の勉強。楽しいお食事の間、気付いたら必要な時にいつも笑顔で居てくれる。

私自身最高の黒子を追求し続けております。

お客様には、身近なそんなサーヴィス人を是非好意に育んでいただきたいと思います。